清澄白河の古い倉庫の5〜7階に、小さなギャラリーがいくつか集まっている。

エレベーターも荷物運搬用の大きいもので、自分が段ボールに入って運ばれているような気分。

ジャンルは写真、絵、インスタレーションと様々。その中で、初めて作品を「欲しい」と思ってしまった。塩川彩生さんという人の作品。販売している。

淡い色で和紙に刷られたバレリーナや女の子の版画で、いつまでも見ていたい。スタッフらしきかわいい女性にwebでこの人の作品は見れますか?と尋ねたところ、
あの…私です…と控え目な返事。


わわ、そうなんですかーと慌てて感想を伝え、キュレーターの美女にファイルを見せてもらい解説を受けた。ただ、欲しいと思った女の子の作品は、

実はお嫁に行くことが決まってしまったんです…

と、美女が申し訳なさそうに言った。かわいい…


やり取りを通し、なんて私は表現力に乏しいんだと反省したが、それも含めて収穫あるひととき。伝えるって難しい。そして別の作品は買うかもしれない。


夜は危険そうな区域だし、建物は古くて暑いし怖い(アテネフランセばりに何か連れて帰りそうな予感)。その一角は新旧国内外の作家の作品が集まる刺激的な場所。


帰りは隅田川を渡り、茅場町まで歩く。
ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。


ユラユラした水面を橋の上から眺めていたら、遊覧船と屋形船が橋の下から顔を出した。